名前はサーク島。
イギリスやフラン人でさえ、その存在は知らない人も多い。
そこは、ヨーロッパ最後の封建主義国といわれるところで、
いちおうはイギリス領なのだけれど、
領主がいて、独自の法律が合って、選挙も行われないという
なんとも”封建的”な政治体系をなんと2年前まで保持していた。
車が禁止されているので、基本的な交通は馬車と自転車。
街灯も禁止なので、夜は真っ暗。
そんな話を聞いて「いってみたい!」ということになり
2010年夏にいってきた。
そんな物好きな日本人はあまりいないだろう。
いってみるとサークは、言葉ではいえないなんとも不思議な雰囲気。
もくもくした原始的な森に島全体が覆われていて、
その荒々しさが映画のジュラシックパークみたいだ。
自然は荒々しいものの、生活はけっこうノンビリ。
住民はみなこぎれいなイギリス風の家に住んでいて、
よく手入れされた花咲くイングリッシュガーデンが。
そこで、みんな大きなポットからたっぷりの紅茶をカップに注いで飲んでいる。
あちこちに馬や犬、あひるなんかが歩き回っている。
3日間の短い滞在だけれど、自転車さえあれば、
小さい島なので隅から隅まで走り回れる。
ときどき、馬車が追い抜いていくぐらいでほかにすれ違うひともあまりいない。
でたらめに走っても、そのうちどこか知ってるようなところに出る。
サークは、ちょっと大きな島と小さ目の島にわかれていて、
細い橋のようにも見える道路でつながれている。
小さい島のほうは特に人が少ないので、
本当に静かで、太古の昔に返ったみたいな場所だ。
その橋のたもとに、ちらっと猫の姿が見えた。
「猫がいるよ~」
呼ばれるように草むらをわけいっていくと、いたいた。
大きなトラ猫。
彼は草むらでくつろぎつつ、足元に広がる崖からたまに海を見ているよう。
私たちが彼のくつろぎスポットに近づいていくと、
なんとなく喜んでいるようで、近くのベンチに座ると、
ポンとひざにのってくつろぐ、くつろく。
不思議なのは、この辺にはぜんぜん家がないので、
この猫はどこから来たのかがわからない。
「お前はどこから来たの?」
とたずねてみるが、もちろんにゃんこは知らん振り。
しばらくにゃんこと遊んで、今度は小さい島を探索。
そして数時間後同じ場所を通ると、やっぱりトラ猫はそこにいた。
同じように飄々と草むらでくつろいでいる。
「ご飯、食べたの?」ときいても、もちろんしらんぷり。
特におなかが空いているようにも見えない。
しばらく遊んで、私たちは宿に戻った。
「あの、トラ猫どうしてるのかな~、やっぱりあそこにいると思う?」
翌日、なんとなく気になったのでまたこのにゃんこスポットに寄ってみた。
すると、やっぱり昨日とまったく同じ体勢に草むらでノンビリしている。
どうも、この猫はいつもここにいるようだ。
それにしても、どこで何を食べているのか。
本当に不思議だ。
私が近づいていくと、少しだけ喜んだそぶりをしたが、
いつもどおり草むらの昼ねにもどっていった。
いまごろサークも冬だと思うけど、どこでくつろいでいるのかな。



0 件のコメント:
コメントを投稿